
「無理せず、好きなことを、身の丈に合わせて、いまの日常をずっと続けていきたい」
ショコラさん
<プロフィール>
1956年2月生まれ。
2016年に始めたブログ「60代一人暮らし 大切にしたいこと」が異例のPV数を記録し話題となる。息子二人が小学校に上がったときにパート勤めを始め、42歳で別居、5年後に正式に離婚。
43歳の時に化粧品会社の契約社員から社員となり、最終的には営業所長に。57歳で退職し、パート勤務をしていたが、一昨年パートを辞め、現在は年金暮らしを楽しむ。
2024年10月10日、最新の著書『68歳 おひとりさま 幸せに年を重ねるための お金と時間の上手な使い方』がオレンジページより出版となり、多くのメディアがショコラさんの暮らしの知恵、人生を楽しむヒントを取り上げ、共感を集めている。
<ショコラさんのブログ>
60代一人暮らし 大切にしたいこと
ショコラさんの夢はなんですか?
最初から大変申し訳ないんですけど、「これが夢です」というようなものは特にないんです。ただ、大切にしていることは「無理をしない」ということで、これは正社員退職後から思っていて、「無理をして生きていきたくない」というのはずっと思っていました。
2冊目の書籍でも書いたんですが、「無理をしていないか?」というのはいつも自分に問いかけているんです。あとは、自分がやっていることに対して「好きでやっていることかどうか」それと「身の丈に合っているか」ということも、いつも心に留めています。自分の気持ちに素直に生きたいというのはありますね。
他にやりたいことと言ったら、もっともっと旅行をしたいですね。地方でも外国でも、自分の目で見て体験したいという思いがあるんです。2024年の12月にずっと行きたかった長崎に行ってきたんですが、それも軍艦島(端島)を自分の目で見たいという思いがあったからでした。
でも旅行というと日にちもお金もかかるから、日帰りで行けるところでも行きたいですね。実は私「行きたいところリスト」を作っていまして、テレビや雑誌で見たところをどんどん書いていってるんです。そこに実際に行って、リストをどんどん消していくのもまた楽しいですね。
あとは、いま1歳を過ぎた孫がいるんですが、孫の成長をずっと見ていくことも楽しみです。私には息子が2人いるんですが、年子だったので、育児に追われてそういう余裕がなかったんですよね。
新しいことでいうと、麻雀をやってみたいです。麻雀自体は高校時代の友達と若いときに集まって、何を賭けることもなくゲームとしてやっていたことはあるんです。
麻雀って指先を動かしたり考えたりするので、プラチナエイジ世代の方々が始める方が多いっていうのをテレビで見まして。
それと、私が出版のつながりでご縁をいただいた方で多良美智子さんという方がいらっしゃるんですが、多良さんも麻雀をやってらっしゃるんです。90歳なんですが一人で暮らしていて、趣味もたくさんお持ちで、私もこんなふうになりたいなと思う理想の方なんですよね。
本当に普通のことばかりなんですが、改めて考えると「いまの日常がずっと続いたらいいな」というのが夢ですね。
大きなことではなくて、普段の楽しみとしてはフィットネスクラブに行くことがいちばん楽しいんです。そこではフラダンスを覚えたり、水中ウォーキングとか、ヨガとか、運動が苦手な私でも負担がかからずに楽しめて、でも運動の習慣も付けつけられていいんですよね。
あとは図書館で本を借りてみたり、ママチャリに乗って近所を散歩したり、古い建物を見に行ってみたり、そういう日常の楽しみをずっと続けていきたいと思っています。

フィットネスクラブでのフラダンスも楽しみのひとつ。
ブログは毎月20本近く投稿されていますね。ショコラさんにとってブログとは?
ブログについては、もう生活の一部になっています。あくまでも個人的なものとして、友達と話しているような感覚で書いています。普通の日常であっても、「あ、これ書きたいな」と思うことがあったり、記録として残しておきたいなと思うことがあると、書きたくなっちゃうんですよね。
それと、私のブログでは写真だけの投稿も多いんですけど、ブログを書いているうちに写真を撮るのが楽しくなってきたんです。ブログに写真を載せようと思うと、こうやって撮ったらキレイかなとか、こう撮ったら見やすいかなとか考えるようになって。インスタグラムでもそうなんですが、「素敵な写真ですね」と言っていただけることが増えてきたことを考えると、これも私にとって成長なんだなと思います。
ただ、そうは言っても辞めようかなと思うこともあるんですよ。生活の一部とはいえある程度時間も取られるし、中には中傷めいたコメントもあって、そういうときには私もすごく落ち込みます。ブログは仕事として書いているわけではないので、たまには誤字脱字があったりするんですけど、それを批判めいて指摘されると辞めようかなと思ったりします。
でも、私のブログを楽しみにしてくださってる方もたくさんいるし、共感してくださる方もいっぱいいるんですよね。そういう皆様からのコメントをいただくとすごく励みになるんです。やっぱり、共感してもらえるというのはとても幸せなことなんですね。だから、ブログを読んでくださる皆様というのは、私にとって大きな支えであって、背中を押してくれる存在です。
歳を重ねるということについてどうお考えですか?
歳を重ねるということについては、年々、体力や気力が落ちていくことは実感しています。でも、その分、心や気持ちが軽くなって、自由になっていくことだと思うんですよね。体力が落ちていったり、見た目は確かに老いていくけれど、それは気にすることではなくて、いろんなことを経験してきたからこそ自由になっていっているんだと私は思っています。
子供を育ててきた方なら、子供たちも大人になって自立して、親の手を必要としなくなってきたなら、親である自分たちは自由になっているということですよね。
いままで大変だったこととか苦労してきたことはいっぱいあっても、いままで経験してきたことはちゃんと積み重なっていて、糧になっていると思うんです。だから、歳を重ねるということは、自分はここまでやってきたんだという自信にしていいんじゃないかなと。まだまだこれからやりたいことはいっぱいできると思います。

60歳を機に集め始めた御朱印帳。
いまプラチナエイジの方と、これからプラチナエイジになる方へのメッセージをお願いします。
ぜひ竹内まりやさんの「人生の扉」という曲を聴いてもらいたいなと思います。私も50代前半にこの曲を聴いてすごく勇気づけられたんですよね。いまでもとても大好きな曲で、聴くたびに涙が出ちゃうんです。「人生には価値があるんだよ」「私はそう信じているよ」というこの曲の歌詞が、そのまま伝えたいメッセージですね。
あとは昔のドラマなんですが「最後から二番目の恋」というドラマに出てきたセリフで、「誕生日というのは、生まれてきたことと、この歳まで生きてきたこと、その2つに感謝する日なんだ」というシーンには、本当にそうだなと思ってぼろぼろ泣いてしまいました。
私も改めて、いまこの普通の毎日を大切にして、無理をしないで、好きなことを、身の丈に合った形で、やっていきたいなと思います。
本記事に関する連絡先:プラチナエイジ振興協会事務局
電話: 06-4400-1651
E-mail:info@platinumage.org