齋藤喜以子 様

川越igoまち倶楽部 常務理事 事務局長
日本棋院公認 囲碁・まちづくりコーディネーター

齋藤喜以子

出版社・新聞社にて情報誌編集長・まちづくり研究所所長を務め、2009年に独立。

社会の中間(行政・企業と生活者)に軸足を置き、客観的な立場から「生活者が、安心・安全に、誇りを持って生き生きと暮らす」ためのしくみづくりをサポート。

2012年からは、生まれ育ったふるさと(埼玉県川越市)へのご恩返しとして、囲碁が内包する力に社会性を付加し、次世代育成・多世代交流・文化創造・観光振興・商店街連携など、地域活性化につながる囲碁普及事業を展開。それらをまとめたハンドブック『川越のひと力・囲碁力・地域力』は、市民活動のバイブルとして全国から注目された。

公益財団法人日本棋院理事を2期4年務める。

元地域活性学会会員、元内閣府まちづくり勉強会メンバー。

(団体および個人の受賞歴)
コープみらい「地域かがやき賞」、読売教育賞「地域社会教育活動部門 優秀賞」、埼玉キワニスクラブ「社会公益賞」、日本棋院「普及活動賞」

皆様こんにちは、齋藤喜以子でございます。
本日はこのような素晴らしい賞を頂戴いたしまして、心から御礼申し上げます。

私は囲碁に「社会性」という視点を入れました。
これまでは限られた人だけの囲碁を解放し、子供達のためとか、あるいは地域の街づくりにちなんだ活動をしております。

きっかけは仕事柄、これまで全国各地を飛び回っていたんですけれども、故郷で何もやってこなかったということに気がついたんです。今ある自分が色々な方に支えられてきた、ということがとても身に沁みまして。これからは我が身に備わった知見を世の中に、社会にお返しする時期が来たのかなという風に思いました。それで、故郷に恩返しをしていると思ったわけです。

私の故郷、埼玉県川越市はですね、小江戸と言われまして、人口35万人の城下町です。地域の住民、それから多様な価値観を持っている方が誇りを持って暮らしています。コロナ禍の前には年間770万人の観光客が訪れる、非常に賑わいのある街なんです。

市民活動も活発でして、今更自分がやることはないのかなと思っていたんですけれども。

でも待てよと。

この伝統文化の街にふさわしいもの。それから、世代とか価値観の異なる人達が一緒になって出来ること。これまで誰もやられていない知的なテーマ。それを探す中で、囲碁に出会いました。

私は囲碁を経験したことがありません。未知の世界に足を踏み入れようとするわけですから、怖いもの知らずというか、無謀な話ですよね。

日本は白石と黒石があるから平等です。それから打ち方も自由です。そして碁盤行儀です。宇宙を表す壮大な世界です。加えて囲碁をやる事によって、思考力や決断力、大局観やコミュニケーション力が培われると言われてます。これはまさに子供達の人間力を育むのにピッタリなコンテンツだと思ったんです。

それで2012年に、志を同じくする仲間と一緒に「川越igoまち倶楽部」を作りました。囲碁をする人もしない人も、市民も観光客も、それから幼児からシニアまで一緒になって楽しめる、開かれた囲碁活動をしております。

囲碁は少し課題があるんですよ。敷居が高いとか、少し難しそうとか。それから年配男性のイメージを持たれがちなんですけど、そういうことを払拭していただいております。

活動の一端を写真でご紹介したいと思います。

こちらは親子囲碁教室の写真です。通常は右から下の形でやってるんですけれども、今はコロナ禍で集まれませんからオンラインでやっております。先生が毎回十数人いまして、高校や大学の囲碁部の学生とか現役世代、それからおじいちゃんおばあちゃん先生まで一緒になってやっているんですね。

子供も一般の生徒に交じって、視覚や聴覚障害の子とか、学校での居場所が難しい子や、外国籍の子どももいますので。まさに小さな社会がありますので、囲碁の打ち方を教えるだけではなくて、子育て世代の安心できる場所になっています。

すごくたくさん話したいことがあるのですが、時間がないので端折りますね。

これが川越のキッズ祭りです。毎年5月に一回、商店街と連携して、通りいっぱいに碁盤を並べて誰の自由に打てる、そういった楽しいイベントなんです。外国人の観光客も多いので、囲碁はルールが万国共通なんですよね。誰でもできるので、外国の方々にも飛び入りで参加しています。子供達の誇らしげな顔見てください。

上2枚は棋聖戦と言いまして、プロ棋士の最大タイトル戦。それを川越は3度誘致していますが、普通棋聖戦と言いますと、名旅館とか有名な所のホテルの奥まった所で打まれるので、普通の人はほとんど関係ないんですけれど。川越の場合は町を挙げておもてなしをするということで、左上の写真はこれだけスタッフが働いておもてなしをしました。

右側は川越igoまちキッズなんですけど、憧れのプロ棋士と一緒に喜んでいる写真です。市の広報誌の表紙を飾りました。

下はですね、囲碁祭りと言いまして、百面打ちなんですね。10人ぐらい棋士を招き、一人が7〜8人を相手に打いでいくというイベントです。

右下は「キモノで囲碁女子」をしていまして。川越は着物を着て歩くというのが流行っていますけれども、着物の着付けを教わって自分で着るんですね。その後、囲碁対局をする好評な企画で、継続を望む声がたくさん頂いてます。

さらに1枚いいですかね?

左側の小さなハンドブックなんですけれども、これが私たちのコンセプトや組織作り方や運営の仕方など、活動内容をスタッフの声などをまとめたものなんですけれど。これが囲碁だけではなくて、市民活動のバイブルとして、北は釧路から南は屋久島まで全国各地からお問い合わせが来まして、活用頂いています。igoまち倶楽部のマスコットキャラクターです。

ということで、こういった活動をしているんですけれども、囲碁には可能性がすごくあるんですね。なぜこれまで囲碁界の人はそれをやってこなかったんだろう、不思議に思うくらいなんですけれども。さらにその可能性を追求していきたいと思います。

最後に若い方方にということで、メッセージを言うように言われておりますので。

私たちは親から託された生まれながらの能力と、その後の人生で様々な経験をします。その後から身についた知見というのがあると思うんですね。この2つは宝物だと思います。

良いことも悪いこともあるかもしれないんですけれど、それらはすべて宝物で、使う使わない回数はその人次第なんですよね。

実は年を重ねると、ある時バラバラになったら宝物が有機的につながってくることを実感する時があるんです。そうすると、すごく色々なことができるようになるんですね。ですから若い方は自分自身を信じて、この宝物を果敢にチャレンジしてほしいと思います。

今日はちょっと時間をオーバーしたみたいですけど、ありがとうございました。

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