【戸谷章子さん】音楽の力や教育を通じて子供たちに豊かな未来をのこしたい

「夢は子どもたちの存在そのもの」と語る戸谷さんは、幼児・小学生教育を経営しながらビートルズのカバーバンドのボーカルとして音楽活動をしています。戸谷さんは「Gig Me Do!」というライブを開催していましたが、2019年、2020年と連続で大型音楽イベントを主催。2019年は横浜ランドマークホールで恵まれない子どもたちへの募金を募るイベントを成功させ、コロナ禍に見舞われた2020年は、全世界へのライブ配信を成功させました。その活躍には多くのメディアが注目しましたが、戸谷さんの心の中心には、いつでも目の前の子どもたちの未来を思う気持ちがあったのです。
今回は、戸谷さんが大切にしている夢について、思いをお伺いしました。

私の夢は子どもだと思っています。子どもなくして将来はないし、人類というか地球全体の問題として、子どもが全て、人類の夢だと思っています。だから、子どもに夢を託すとかではなくて、子ども自体がもう夢なんです。

というのも、日本はとても豊かですよね。義務教育で勉強は必できる環境にあるし、教育を受ける権利もすべての子どもが持っている。教育なくして子どもの育ちはありません。

でも一方で、教育を受けない、受けたくても受けられない子も中にはいるし、5歳まで生きられない子たちもいます。そういう現状があるんですが、日本はありがたいことに平和で豊かなので、いまの子どもたちにはそれが分かりづらいんですよね。

だから、子どもたちには「自分が何のために勉強するのか」っていうところを分かってもらいたくて、実際、子どもたちに「いろんなことが世の中にはある、あなたたちはそういうことを少しでも解決できるようになって、豊かな未来を作っていけるように、いま勉強しているんだよ」って常に言っているんです。

それと、私がやっている音楽イベント「Gig Me Do!」は、今年(2024年)は5月5日のこどもの日に2部制で開催する予定で、今回はマイケル・ジャクソンの「Heal The World」をテーマにやろうと思っています。子どもたちは第1部で「Heal The World」も歌ってもらいますが、他にも作文を書いてもらったり、「理想の地球を作ろう!」みたいなワークショップをやれたらいいなと考えています。

第2部は本格的なライブで、プロのミュージシャンがたくさん来てくれて、すごいライブになると思います。こういったプロの方も呼んでの音楽に関することは、私にしかできないことかなと思っているので、大変ですけれども動いています。

ちなみに、いま大変って言いましたけれども、実際本当に大変なんですよ(笑)。やっぱりアーティストの方たちってすごいじゃないですか。それぞれすごく独特なので、「よくこれだけの人がこんな参加してくれるね」とか言われたりしますし、NHKで取り上げてもらったときには「猛獣使い」って言われました。ほんと、無謀な挑戦ですよね(笑)。

でも、挑戦はやめられないんですよ。というのも、実は5年前に主人を亡くしたんです。それまでは65歳で仕事を辞めて世界旅行に出る予定でいたんですけれども、それが叶わなくなったんですよね。そしてライフワーク的にやっていた子どもたちの塾もちゃんとやらなくちゃいけなかったり、さらに児童発達支援の塾もオープンしたりいろんなことをやったり、新しいことへの挑戦をずっとしてたんです。

というか、逆にそれをやらないといろいろ考えちゃうじゃないですか。「こんなはずじゃなかった」とか、1人でいるといろんなことを考えちゃう。そうならないようにするためにも、前向きにいろんなことに挑戦してるんです。

大変なこともたくさんあるけど、それでも前向きにやっていくと、いろんな方が応援してくださるんです。大変だけれども、逆にいろんな知らなかったこととか、できなかったりしたことも、みんなが応援してくれるようになるんですよね。

私のイベントも、皆さんが「あなただから応援するんですよ」って言ってくださるんです。音楽のプロの方たちも「あなただからやるんですよ」って言って、なんとも安い出演料でやってくださるんですよ。だから私は何でも「やろうと思ったらできる」っていうことは発信したいですね。

「やろうと思ったらできるよ」っていうことにはもうひとつ話があって、私の音楽の主な活動はビートルズバンドなんですけれども、実は女子バンドで「苺坂」っていうのをやってるんです。

メンバーは50代もいるんですけれども、60代が半分かな? 昨年は全国いろんなところに行きまして、これはバリバリやってます。もう本気なんですよ。撮影会とか始まっちゃったりするくらい、すごい人気です。

あとひとつ、いただいた言葉なんですけれどもすごくいい言葉があるんです。世界で活躍される中田恭子さんという画家の方の言葉で、

「人生は幸せなことを両手いっぱいに抱えて歩くのがいい。辛いこともあるけれど。袋の底には穴を開けて歩こう。不幸はいつも前からこぼれ落ちてなくなるように」

私はこの言葉がとっても心に響いたんですよね。挑戦していく中では、嫌なことも、いろいろ大変なこともあったりするかもしれないけれども、幸せを両手いっぱいに抱えて歩いて行けたらいいなと思います。私は今いっぱい幸せをもらっていると思うんです。本当にありがたいことにね。

なので、話を戻しますけれども、夢ということであればやはり子どもたちですね。子どもたちに豊かな未来を、ということが一番の夢だし、願いです。

これからも、音楽と子どもの教育の両方で、できる限り、子どもたちに素敵な未来を残してあげられるような活動を続けていきたいと思います。

【編集後記】
私たちが戸谷さんのご活躍を知ったのは、とあるインタビュー記事でした。その記事内に「ちょっと高めの、鈴を転がすような心地いい声」という一文がありましたが、実際にお話をお伺いして、まさにそのとおりだなと感じました。
そして、飾ることのない等身大の自分だけど、いっぱい背伸びをしてがんばっている戸谷さんのお話を聞いていると、一流ミュージシャンが「あなただから」と言って集まるのもこれまたそのとおりだなと納得できました。
2024年5月5日のイベントでも、きっと戸谷さんのまわりには素敵な人たちが集まって、子どもたちにとって素晴らしいイベントになることでしょう。
プラチナエイジ振興協会は、これからも挑戦をしつづけていく戸谷章子さんを応援してまいります。

(インタビュー・文/安 憲二郎

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